私を創った言葉@

「高橋和巳」全集より〜

どんな自由もそれを真に享受し喜び合う他者が存在しなくては意味をもたない。
孤立無援の姿で本当のことを言ってはいけない。
一つの感情は、それを表現しない限り、別段、その感情を
思い描いた本人に対してすら特別な作用力はもたぬものである。
組織が一たん形成されれば、組織の発展につくす者より、組織を
利用する者や、組織の中を巧みに泳ぎまわる者が必ず力をもつものだ・・
人間が人間を信じなくなるのは、人が人を殺すからではない。
味方だと思い込んでいた者の中に、無数の裏切りと中傷と、羨望と嫉妬と、
怨嵯と策謀が渦巻いているからだ。
・・・・そう、ちょっとした思いやりにすら、人間には地位や余裕や
体力が必要なのだ・・・・
どのような時代、どのような社会にも、この世には二種類の人間しかいない。
自ら事を決してその責任をとる人間と、人に追従してかろうじてその存在の
意義を たもつ人間と・・・

高橋和巳(1931-1971・昭和6年-昭和46年)
昭和46年5月3日歿 39歳(大慧院和嶺雅到居士)静岡・富士霊園
墓